​『Re:ゼロから始める異世界生活』のifルートとは？全ルート一覧と考察

『Re:ゼロから始める異世界生活』（リゼロ）のifルートとは、原作小説の作者・長月達平氏が執筆した、物語本編とは異なる可能性の世界を描いたストーリーです。本編ではスバルが選ばなかった選択肢を取った場合の展開を描き、異なる結末を迎えるのが特徴です。

以下では、ifルートの一覧とその内容、そしてその考察について紹介します。

『Re:ゼロ』のifルートとは？

『Re:ゼロから始める異世界生活』には、本編とは異なる「ifルート」と呼ばれる物語が存在します。

これらはスバルが本編で選ばなかった選択肢を選んだ場合の展開を描いたもので、通常のストーリーとは大きく異なる結末を迎えます。

ifルートは原作者・長月達平氏によって執筆され、Web版や書籍特典などで公開されてきました。

ifルートの概要

『Re:ゼロ』のifルートは、本編の「死に戻り」を通じてスバルが辿った道とは別の可能性を描く物語です。

物語の分岐点でスバルが異なる選択をした場合、どのような未来が待っているのかを示す内容となっています。

本編では選ばれなかったルートを描くことで、スバルの新たな一面や登場人物たちの異なる関係性が浮き彫りになります。

ifルートが生まれた経緯

ifルートは、長月達平氏がWeb版の『Re:ゼロ』を連載する中で「もしもスバルが別の選択をしていたら？」というアイデアから生まれました。

特に人気のあるルートは、書籍の特典や特別企画としても発表され、ファンの間で話題となっています。

これらのルートは本編とは異なるパラレルワールド的な立ち位置であり、各ルートごとにスバルの性格や運命が大きく変わります。

ifルート全一覧と概要

『Re:ゼロ』のifルートは、スバルが本編で選ばなかった選択を取った場合の物語です。

それぞれのルートは七つの大罪をテーマにしており、スバルの異なる運命を描いています。

ここでは、各ifルートの内容とその特徴を詳しく見ていきましょう。

強欲if（グリードif）

「スバルがエキドナと契約していたら？」をテーマにしたifルートです。

本編では拒否した「知識の魔女」エキドナの契約を受け入れたスバルが、合理的かつ最適な選択をしながら進んでいきます。

しかし、それは彼が人間らしさを失う道でもありました。

ストーリー概要

スバルはエキドナの知識を得ることと引き換えに、彼女の導きに従うことになります。

エキドナの膨大な知識によってスバルは「最適解」だけを選び続ける存在へと変わります。

感情ではなく計算で物事を判断するようになり、エミリアをはじめとする仲間との関係も大きく変化します。

物語の特徴

このルートでは、スバルはあらゆる問題を解決する力を得るものの、人間的な温かみを失っていきます。

本編では失敗しながらも成長していくスバルですが、強欲ifでは「最善の選択」を取り続けることで別の形の破滅が待っています。

「正しい選択」が「幸せな結末」とは限らないことを示唆する物語です。

本編との違い

本編では、スバルは不器用ながらも周囲との絆を深めながら進んでいきます。

しかし、このifルートでは「仲間を大切にする」よりも「合理的な選択」を優先するため、エミリアや他のキャラクターとの関係が大きく変わります。

特にエミリアとは疎遠になり、彼女の成長を促すどころか冷徹に見捨てる可能性すら示唆されています。

考察：スバルにとっての「強欲」とは？

スバルの「強欲」は、単なる物欲ではなく「すべてを知り、すべてを制御したい」という欲望です。

しかし、知識が増えるほど、人間的な感情や悩みが失われていきます。

このルートは、「人は完璧になれるのか？」「すべてを知ることが本当に幸せなのか？」という哲学的な問いを投げかけています。

暴食if（グラトニーif）

「スバルが暴食の権能を持っていたら？」をテーマにしたifルートです。

本編ではペテルギウスを倒した後、スバルは魔女教と戦い続けますが、このルートでは魔女教の影響を受け、スバル自身が暴食の権能を得てしまいます。

愛に飢えたスバルが、その空白を埋めるように「食べる」ことに執着していく物語です。

ストーリー概要

スバルはある事件をきっかけに、魔女教の「暴食の大罪司教」としての力を手に入れます。

この力は「他者の記憶や存在を喰らい、己の力とする」能力です。

しかし、それは同時に周囲の人々の記憶から「スバル」という存在を消してしまうことを意味していました。

物語の特徴

このルートでは、スバルは自身の欲求を満たすために、次々と人々を喰らっていきます。

記憶を喰らうことで一時的に愛される存在になれますが、それが持続することはありません。

次第にスバルは「本当の愛とは何か？」を見失い、虚無の中に堕ちていきます。

本編との違い

本編では、スバルは愛されるために努力し、信頼関係を築いていきます。

しかし、このルートでは「強引に愛を得る」という歪んだ方法を選び、結果的に孤独を深めていきます。

スバルの「愛に飢える」という要素が極端に描かれており、ペテルギウスとの類似点も強調される展開となっています。

考察：「愛を求める」という歪んだ願望

スバルの「暴食」は単なる飢えではなく、「誰かに必要とされたい」「愛されたい」という願望の暴走を意味しています。

しかし、本当の愛は強制するものではなく、積み重ねによって生まれるものです。

このルートは、「愛が欲しいと願うことが、時に愛を破壊する」という皮肉なテーマを内包しています。

怠惰if（スロウスif）

「スバルが全てを投げ出して逃げていたら？」をテーマにしたifルートです。

本編では、スバルは絶望しながらも立ち上がり、白鯨討伐や魔女教との戦いに身を投じました。

しかし、このルートではスバルが戦うことを放棄し、大切な人と逃亡する選択を取ります。

ストーリー概要

スバルは白鯨討伐にも魔女教との戦いにも関わらず、レムと共に王都を離れ、どこか遠くで静かに暮らすことを決めます。

最初は幸福な時間が続くものの、次第に逃げ続けることの意味を問い始める展開となります。

しかし、その答えを見つける前に、世界は少しずつ壊れ始めていきます。

物語の特徴

このルートのスバルは、戦うことも努力することも放棄し、怠惰の中に生きようとします。

しかし、世界の脅威は待ってくれるわけではなく、遠くへ逃げても追ってくる敵がいることを思い知らされます。

また、レムも最初はスバルの選択を受け入れるものの、次第に疑問を抱くようになり、物語は苦い結末へと向かいます。

本編との違い

本編では、スバルは絶望しながらも何度も立ち上がり、前へ進もうとします。

しかし、このルートでは「戦わず、逃げること」を選んだスバルが描かれ、結果的に多くのものを失うことになります。

努力をしなかった場合、スバルがどうなるのかを明確に示したルートといえます。

考察：「怠惰」とは本当に怠けることなのか？

スバルの「怠惰」は、単なる怠けではなく「諦めること」に近い意味を持っています。

このルートでは、スバルが「幸せそうに見えても、心の奥では何かを失い続けている」ことが強調されます。

果たして、努力せずに得た幸せは本物なのか？ という問いを読者に投げかける物語です。

憤怒if（ラスif）

「スバルが怒りに支配されたら？」をテーマにしたifルートです。

本編ではスバルは苦しみながらも感情を抑え、周囲との関係を築いていきます。

しかし、このルートでは怒りと復讐心を原動力に戦うスバルの姿が描かれます。

ストーリー概要

幾度もの死を経験したスバルは、仲間や愛する人を失い続ける中で、ついに「憤怒」に目覚めます。

もはや慈悲や思いやりはなく、復讐のためだけに力を求める存在へと変わっていきます。

その結果、彼はどんな手段を使ってでも敵を討つことを決意します。

物語の特徴

このルートでは、スバルは誰よりも強く、誰よりも恐れられる存在になります。

しかし、その代償として、彼が守ろうとした人々はスバルの変化に恐怖を抱き、次第に離れていきます。

力を得ても孤独が待っているという、強烈な皮肉が描かれるのが特徴です。

本編との違い

本編では、スバルは苦しみながらも「支え合うこと」の大切さを学んでいきます。

しかし、このルートでは「力だけで全てを解決しようとする」姿勢が強調されます。

結果として、スバルはかつての魔女教徒や強敵と同じ道を歩むことになります。

考察：「憤怒」が生む力と破滅

スバルの「憤怒」は、単なる怒りではなく、「守れなかった自分への怒り」が根底にあります。

しかし、怒りは力を生む一方で、破滅ももたらします。

このルートは、「復讐の先にあるものは本当に正義なのか？」という問いを突きつける物語です。

色欲if（ルストif）

「スバルが愛を求めるあまり、歪んだ執着を持ったら？」をテーマにしたifルートです。

本編ではスバルはさまざまな人と関係を築き、信頼を育んでいきます。

しかし、このルートでは特定の誰かに異常なほど執着するスバルが描かれます。

ストーリー概要

スバルはある人物（エミリア、レム、ベアトリスなど）への「愛」を強く求めるようになります。

しかし、それは健全なものではなく、相手の自由や意志を無視した歪んだ愛へと変化していきます。

最初はただの強い愛情でしたが、次第に「自分だけのものにしたい」「他の誰にも渡したくない」という独占欲が強まっていきます。

物語の特徴

このルートでは、スバルの「愛」の暴走が描かれます。

本来、愛は相手を尊重し、共に成長するものですが、スバルは愛する相手を守ることだけを考え、結果的にその人の未来を奪ってしまいます。

「自分のものにしたい」という気持ちが強まるほど、スバルの精神は不安定になり、物語は狂気じみた展開へと進みます。

本編との違い

本編では、スバルは「愛する人を守るために努力する」姿勢を持っています。

しかし、このルートでは「相手を守る」という考えが歪んだ独占欲に変わるのが特徴です。

結果として、スバルの行動は愛する相手を苦しめることになり、二人の関係は決して幸福なものにはなりません。

考察：スバルの「色欲」とは何か？

「色欲」という言葉からは、肉体的な欲望を連想しがちですが、このルートで描かれるのは「精神的な執着」です。

スバルの「色欲」は、「愛されたい」という強い欲望の延長線上にあります。

このルートは、「本当の愛とは何か？」というテーマを掘り下げる物語となっています。

傲慢if（プライドif）

「スバルが王選に名乗りを上げたら？」をテーマにしたifルートです。

本編ではスバルはエミリアを支える立場として行動しますが、このルートでは自らが王になろうとする展開になります。

傲慢さと自信に満ちたスバルが、己の理想を追い求める物語です。

ストーリー概要

スバルはエミリアを支えるのではなく、「自分がこの国を変える」という野心を抱きます。

その結果、王選に名乗りを上げ、他の候補者たちと真っ向から対立することになります。

しかし、彼が持つのは知識と経験だけであり、権力を得るためにはあらゆる手段を使わなければならなくなります。

物語の特徴

このルートでは、スバルのカリスマ性と策謀が描かれます。

本編のスバルとは異なり、冷静で計算高く、時には非情な決断を下すことも辞さない人物に変わります。

目的のためならば、敵を欺き、味方すら利用することも厭わなくなっていきます。

本編との違い

本編では、スバルは「仲間を信じ、共に歩むこと」を重視します。

しかし、このルートでは「自分が王になるために仲間を従わせる」という考え方を持つようになります。

結果として、かつての仲間たちとの関係が大きく変化し、エミリアとも敵対する可能性が示唆されます。

考察：スバルにとっての「傲慢」とは？

スバルの「傲慢」は、単なる自信過剰ではなく「自分ならすべてを正しく導ける」という思い込みです。

しかし、王になるということは、他人を統治し、責任を負うことでもあります。

このルートは、「強い意志と傲慢さの境界線」をテーマにした物語となっています。

虚飾if（ヴァニティif）

「スバルが誰にも頼らず、一人で戦う道を選んだら？」をテーマにしたifルートです。

本編ではスバルは仲間と協力しながら困難を乗り越えますが、このルートでは全てを自分だけで解決しようとする姿が描かれます。

彼は強くなりますが、同時に誰よりも孤独になっていきます。

ストーリー概要

スバルは「誰にも頼らない」という決意を固め、強さを求め続けます。

仲間の助けを拒み、自分の力だけで問題を解決しようとするスバルは、次第に感情を失い、機械のような存在へと変化していきます。

最終的に彼は圧倒的な力を手にしますが、その先には誰もいないという結末が待っています。

物語の特徴

このルートでは、スバルの「孤高の英雄」としての姿が描かれます。

誰にも弱みを見せず、常に完璧な選択をするスバルですが、周囲の人々は彼を理解できず、やがて離れていきます。

スバル自身も、それが「正しい道」だと信じて突き進みますが、最後には何も残らないという虚しさを味わうことになります。

本編との違い

本編では、スバルは何度も失敗しながらも、仲間との絆を深めて成長していきます。

しかし、このルートでは「失敗しないために、すべてを自分で背負う」という考え方を持ち、結果として人間らしさを失っていきます。

本編での「人とのつながり」がどれほど大切かを逆説的に示す展開となっています。

考察：スバルの「虚飾」とは何を示すのか？

「虚飾」とは、見せかけの華やかさや、偽りの姿を指します。

スバルの「虚飾」は、「完璧な存在であろうとすること」、つまり「誰にも頼らず、常に正しい選択をする偽りの英雄像」と解釈できます。

このルートは、「完璧な人間になることが、本当に幸せなのか？」という問いを読者に投げかける物語となっています。

ifルートの考察

『Re:ゼロ』のifルートは、スバルの選択によってどのような未来が待っているのかを示す興味深い物語です。

これらのルートは単なるパラレルワールドではなく、スバルの内面や本編のテーマを深く掘り下げる役割も果たしています。

ここでは、それぞれのifルートが持つ意味や、本編との対比、読者にとっての魅力について考察していきます。

ifルートが示すスバルの可能性

スバルの選択が運命を大きく変える

ifルートは、スバルが特定の場面で異なる選択をした場合の可能性を描いたものです。

これは「人は選択によって変わる」というテーマを強調しています。

本編のスバルは成長し、仲間と協力しながら前に進みますが、ifルートでは一つの感情や欲望に支配されることで、まったく異なる道を歩むことになります。

七つの大罪とスバルの内面

ifルートは「七つの大罪」をモチーフにしていると言われています。

これはスバルの性格の一面を極端に押し出したものでもあり、彼の心理や欲望がどのように暴走するのかを描いています。

例えば、「強欲if」では知識を求めすぎて人間らしさを失い、「暴食if」では愛を求めすぎて周囲を喰らうというように、それぞれのルートでスバルの異なる側面が浮き彫りになります。

本編との違いと共通点

本編のスバルは「バランス」を大切にしている

ifルートと本編を比較すると、本編のスバルはさまざまな感情や欲望を持ちながらも、それを乗り越えて成長していることがわかります。

一方、ifルートでは特定の感情に囚われた結果、極端な行動を取るため、結末も大きく変わります。

この対比を通じて、本編のスバルがいかにバランスを取りながら前進しているかが強調されています。

ifルートのスバルも本編のスバルと同じ人物

ifルートのスバルは、本編のスバルとまったく別人というわけではなく、選択次第でどのようにも変わりうる存在です。

それは、読者に「スバルの未来は彼の選択次第で変わる」ということを強く印象づけます。

つまり、ifルートの物語は「本編でもこうなっていた可能性がある」という、もう一つの現実を示しているのです。

読者にとっての魅力とは？

本編では見られないスバルの姿

ifルートは、本編とは異なるスバルの成長や変化を見ることができる点が魅力です。

本編では抑えられている感情や欲望が爆発し、異なるスバル像が描かれるため、彼の多面性を知ることができます。

これは、キャラクターの心理描写に興味を持つ読者にとって特に魅力的な要素となっています。

本編の「正しさ」を再確認できる

ifルートを読むことで、本編のスバルが選んだ道の意味や、その選択がどれほど重要だったのかを再確認できます。

例えば、「怠惰if」では努力を放棄したスバルがどのような結末を迎えるのかが描かれ、本編でのスバルの成長の価値がより強調されます。

このように、ifルートは本編の物語をより深く理解するための補完的な役割も果たしているのです。

まとめ – ifルートの魅力とは？

『Re:ゼロ』のifルートは、本編では描かれないスバルの選択肢を通じて、彼の可能性や内面を深く掘り下げる物語です。

それぞれのルートが示すのは、「もしスバルが異なる道を選んでいたら？」という問いであり、読者に多くの考察の余地を与えます。

最後に、ifルートの魅力を改めて整理してみましょう。

ifルートが持つ3つの魅力

1. 本編では見られないスバルの姿を知ることができる

ifルートでは、本編のスバルとは異なる人格や価値観を持つスバルが描かれます。

これは、彼の「本来持っているが、本編では表に出なかった可能性」を知る貴重な機会となります。

特に、七つの大罪をモチーフにした各ルートは、スバルの心理を深く掘り下げる要素が強く、読者に新たな視点を提供します。

2. スバルの選択の重さを再確認できる

ifルートと本編を比較すると、本編でスバルがどれだけの努力を重ね、どのように成長してきたのかがより明確になります。

例えば、「怠惰if」では努力を放棄したスバルが迎える結末が描かれ、本編での彼の選択がどれほど重要だったのかを再認識できます。

このように、ifルートは「本編のスバルがいかに困難を乗り越えてきたのか」を際立たせる役割も果たしているのです。

3. 物語の世界観をより深く理解できる

ifルートは単なる「おまけ」ではなく、『Re:ゼロ』の世界観を拡張する重要な要素でもあります。

スバルが異なる道を選んだ場合の未来を知ることで、「この世界における運命の分岐」や「選択の影響」がどれほど大きいのかを実感できます。

また、ifルートの中には本編に影響を与える可能性があるものもあり、作品全体の奥深さを感じることができます。

ifルートは『Re:ゼロ』の魅力をさらに引き立てる

ifルートは、『Re:ゼロ』の物語をより楽しむためのスピンオフ的な要素でありながら、本編のテーマやキャラクターの心理を深く掘り下げる役割を果たしています。

スバルの選択によって運命がどのように変わるのかを知ることで、読者は本編のストーリーをより鮮明に理解できるでしょう。

ifルートを通じて、『Re:ゼロ』の世界をさらに深く楽しんでみてはいかがでしょうか？